山の幸

image

 ほとんどが山地となる熊野地方。温暖多雨な気候は深い森を育て、谷深い渓流と清流を形作ってきた。
決して耕作に適した地ではない熊野では、山菜や椎茸・シメジ・なめこ・エリンギなどのキノコ類も多く食用とされてきた。
また山深い地であるため、イノシシ・シカ・キジなどの獣肉も貴重な山の幸である。山間の山の幸として、鮎・アマゴも忘れてはいけない。鮎・アマゴは美しい水にのみ棲むことが許される、熊野の代表的な川魚である。

 農産物や畜産物も山の幸のひとつ。田辺の農産物といえば、梅とみかん。田辺市は全国でトップクラスの梅産地。またみかんなど柑橘類も全国有数の産地。温暖な気候は栽培に適し、多くの種類のかんきつ類が栽培されている。山間地では「柚子」の栽培もさかんで、十津川村・龍神村では柚子を加工した保存食「柚べし」が作られている。


山菜・きのこ

 山地がほとんどの熊野・十津川の地では、山菜も名物のひとつである。

早春のフキノトウからワラビ・ゼンマイ、ゴンパチ(イタドリ)、たらの芽、フキ、ウド、タケノコなど、季節に応じた山菜を楽しみたい。また椎茸やシメジ・なめこ・エリンギなどきのこ類の栽培もさかんで、十津川・田辺全域の道の駅などで販売されている。

イノシシ・シカ・キジ

 イノシシ・シカ・キジなどの獣肉も、古くから貴重なタンパク源として食べられてきた。現在はジビエ料理として注目を集めている。
秋冬の味覚として、十津川村や龍神村や中辺路では「ぼたん鍋」や「シカ刺し」が楽しめる旅館等がある。

アユ・アマゴ

鮎

 美しい水にのみ棲む「アユ」「アマゴ」も、山の幸のひとつ。熊野の代表的な川魚である。
「アユ」は全国に棲む川魚だが、熊野の森が育む豊富な水量と美しい水は、その味をさらに美味にする。
「アマゴ」は日本の南西部の美しい渓流にのみ棲む渓流魚。関東以北に棲む「ヤマメ」に良く似ているが、アマゴの特徴は体側に散らされた鮮やかな朱点。その魚体の美しさから「渓流の宝石」と評される魚。
春からはアマゴ、初夏からはアユのシーズンだが、天然ものは非常に少なく、特に天然アマゴを食べられるのは稀。アユやアマゴは、遠火で炙って乾燥させた「あぶり」や、甘露煮にしたものが年中食べられる。

梅干

梅干

 古くは薬用として珍重された梅。さまざまな効能から梅干は食べられてきた。1950年代、田辺市の隣のみなべ町で生まれた品種「南高梅」は果肉が厚く大粒で、現在の梅干の主流となっている。
田辺市は全国でトップクラスの梅産地。例年2月中旬頃には、「紀州田辺梅林」のほか、市内各所で梅の花が咲き誇るため、観梅も楽しみたい。

みかん

みかん

 みかんなど柑橘類も全国有数の産地。温暖な気候は栽培に適し、多くの種類のかんきつ類が栽培されている。山間地では「柚子」の栽培もさかんで、十津川村・龍神村では柚子を加工した保存食「柚べし」が作られている。

畜産物

畜産物

 当地のブランド牛肉「熊野牛」。厳しい認定基準をクリアした熊野牛は、全国のブランド牛肉に並ぶ優れた肉質を誇る。機会があればぜひ食べてほしい。
また、梅の成分を加えた餌で健康に育てた鶏肉のブランド「紀州うめどり・うめたまご」も全国コンテストで優勝するなど注目されている。地鶏ではないが、コンテストで実証された味を試してほしい。